ル・シア在位12年
３月１日
　対象Ω異常なし
３月２日
　対象Ω異常なし
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4月１５日
　対象Ωバーサーカーへの変態を確認も、短時間で戻る。
　変体のきっかけは所属部隊員の生命の危機
　短時間で元に戻ったため処置は行わない
　引き続き監視業務を継続する
４月１６日
　対象Ω異常なし
　対象Ω異常なし
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以上報告終わり。


ふぅ　この部隊に配属されてからもう２ヶ月くらいか。
その間対象Ωの変態は１度だけ。
きっかけはクリィムヒルトさんが敵兵士に襲われた時だったな～
でも短時間で戻ったから本当によかった。
もしあのままだったら・・・私が彼女を始末しなければいけなくなる。

普段ははBSK因子を埋め込まれているとは思えないような
明るくて楽しい娘なんだけど、仲間の危機に反応して変態するみたい。
そもそもBSK因子って特殊な人体実験ってこと以外わからないことばっかり。
私のような末端諜報部員には情報もほとんど下りてこないし。。


私はユッタ。
パペットガーディアンズに所属して斥候とスナイピングを担当している。
表向き、だけど。。


士官学校をでて極秘に諜報部にスカウトされて、
死ぬかと思うような訓練を乗り越えて初めての任務が実験体の監視業務なんて、
なんで私がやらなくちゃいけないんだと最初は完全にくさってたけど、
今となっては『パペットガーディアンズ』に配属されてよかったと思ってる。
私が諜報部員であることを忘れてしまうくらいに日々が楽しい。

こんなに居心地がいいと、やっぱりヴィート先輩が任務を忘れてこの部隊の
２重スパイになってしまっているのではという上層部の疑念も本当かもしれないな。


そういえばこの間クリスザードさんに諜報部からの伝令書を見られたかもしれない。
でもクリスザードさんは何も言ってこない。
トゥジュール隊長からも何も言われない。
みんな私の本当の任務に気付いているのかな。
対象Ωの監視および変態して戻らないようであれば始末するという本当の任務を。。

いっそのことトゥジュール隊長に全てを話してしまえば・・・
だめだ。
そんなことをして上層部に知られたら私だけではなく故郷の家族がどうなるかわからない。


最近小さいころからとても可愛がってくれている他国の従兄から手紙が届いた。
手紙の内容はたいしたこと書いてなかったけど、クリィムヒルトさんが書いた肖像画の写しが同封されていた。
どんな場所で会ったのかはわからない。
でも敵国の、それも兵士の肖像画を描いてあげるなんてクリィムヒルトさんらしいな。


新参者の私に対してよくしてくれるトゥジュール隊長。
他国の人に対しても優しさをもって接するクリィムヒルトさん。
疑いをもっていてもそれを自分の胸に収めてくれているクリスザードさん。
諜報部の裏切り者っぽいヴィート先輩ｗｗｗ
対象Ω。。いや、とても明るくてムードメーカーなさくら大根ちゃん。
みんなさくら大根ちゃんのBSK因子について知りながら温かい目で見守っている。

とても・・・とてもいい部隊だよ。
私もみんなと本当の仲間になりたい。。！！！！！


でも、やっぱり私は諜報部員。
今日も仮面を被って対象Ωの監視業務を遂行していく。

ユッタ